消費者庁は、貼るだけで痩せるかのような表示をしていたダイエットパッチ販売事業者に、当該表示行為が景品表示法違反(優良誤認表示、有利誤認表示)にあたるとして再発防止等の措置命令を行いました。
優良誤認表示の禁止
景品表示法は、事業者が一般消費者に対し、
- 実際のものよりも著しく優良であると示すもの
- 事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの
であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示をすることを禁止しています。
具体例としては、海外産牛肉なのに、国産ブランド牛の表示をするような場合や、塾が適正な比較をしていないのに「合格実績ナンバー1」といった表示をする場合があげられます。
今回の事例では、貼るだけで痩せるという合理的な根拠がないにもかかわらず、当該表示をしたということで3社に景品表示法違反が認められました。
有利誤認表示の禁止
景品表示法は、事業者が一般消費者に対し、
- 実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
- 競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示をすることを禁止しています
具体例としては、実際には何年も継続して行っているのに「今だけの期間限定」などとして1か月限定のキャンペーンの表示をするような場合や実績のない通常価格を別途表示してあたかも割引されているかのように表示するような場合があげられます。
今回の事例では、販売実績のない通常価格を併記し、あたかも実際の販売価格が通常価格に比して安いかのような表示をしたということで1社に景品表示法違反が認められました。
表示内容
「5袋+1袋プレゼント(72日分) 通常価格99,000円→特別価格19,800円」、「3個セット(36日分) 通常価格59,400円→特別価格11,880円」及び「単品購入(12日分)通常価格19,800円→特別価格3,960円」
景品表示法違反の効果
景品表示法違反が認められる場合、措置命令や課徴金の納付命令を出されることがあります。
措置命令の例
- 違反したことを一般消費者に周知徹底すること
- 再発防止策を講ずること
- その違反行為を将来繰り返さないこと
課徴金
課徴金対象行為(優良誤認表示、有利誤認表示)にかかる商品、サービスの売上の3%が課徴金になります。ただし、次の場合は課徴金納付命令は出せません。
- 事業者が課徴金対象行為であること知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠った者でないと認められるとき
- 課徴金額が150万円未満であるとき
また、自主的に違反事実を報告した事業者には課徴金が2分の1減額され、所定の手続に従い返金をした場合には減額されます。